未踏の地「坂本龍馬記念館」を行く
高知県立坂本龍馬記念館。
高知生まれ・高知育ち・現在も元気に居住中の身なれど、その場所をついぞ訪れたことがなかった。
2024年11月現在、「生誕200年 河田小龍展」が高知県立坂本龍馬記念館・高知県立美術館・高知県立歴史民俗史料館の3館にて合同企画として開催中だ。
河田小龍展に行ってきました。
写生帳の緻密なスケッチの数々は、HI-TEC-Cの0.3で描いてますかってくらい細かい。
5×10くらいの小さな帳面に墨と筆でこれを…!?
絵金との合作も素晴らしかった。筆致の違いを見比べられて楽しい。
3館連携企画なので他も是非回りたい!#高知県立美術館#河田小龍 pic.twitter.com/3gfllxcS5c— とりもと (@momodarulife) November 15, 2024
先日、高知県立美術館を訪れて、河田小龍の作品群を目にしてぶったまげた私は、
「よし、坂本龍馬記念館にも行ってみっか!」
と珍しく重い腰を上げて車に乗り込み、ひとり浦戸大橋を渡ったのであった。
「生誕200年 河田小龍-龍馬に世界を教えた男」
幕末の土佐に生まれ、絵師として活躍した河田小龍。
漂流のちアメリカに渡って帰国したジョン万次郎から聞き取りをして「漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)」という記録にまとめたり、同じく絵師の絵金と芝居絵を合作したり、明治期には琵琶湖疎水の図誌を製作したりと、仕事っぷりとその幅広さに感服しきり。
▲ジョン万次郎が河田小龍に贈った掛け軸(複製)。アルファベットだ!
坂本龍馬とも親交があった小龍は、外交に揺れる日本の将来を案じ、
小龍は人材育成、龍馬は資金調達に邁進することになる。
開国を迫る外国だけでなく、攘夷派やら討幕派やら内部も非常に不安定な状況で、今何が必要でそのためにどうすればいいかを必死で考え、行動していた幕末期の人々。
志半ばで投獄されたり、処刑されたり、戦争で命を落としたり。
幕末を生き延び、明治維新をその目で見た小龍は、暗殺された龍馬の死をどう受け止めたのだろう。
展示品を通して、その当時を生きた人の痕跡をじっと見る。
▲龍馬の脇差。美しい。
館内の展示を見て回り、さあ帰るかとスマホを見ると、3時間経っていた。
ひとりで来てよかったと思った。家族と来ていたら全部見終わらなかったわ。
▲土佐藩船「夕顔」を模した展示。
とはいえ、龍馬パズルや、龍馬の書いたひらがなを使った名刺づくりといったお楽しみゾーンや、子供にもわかりやすく解説した展示もあるので、次回は是非子連れで再訪したい!
▲本館屋上からのパノラマビュー。撮るの下手過ぎて水平線がガタガタに。
実は初めてじゃなかった
坂本龍馬記念館に行った話を母にすると、
「小さい頃に行ったやん。金のカツオ見たやろ?」
と返された。
え?
初耳である。
行っていた…?今回が初めてじゃなく…?
ていうか金のカツオって何?
調べてみると、1988年のふるさと創生事業で各自治体に1億円が配られ、高知県中土佐町は純金のカツオ像を作った。
その後、金のカツオ像は県に所有が移り、1993年に坂本龍馬記念館にて展示されていたそうだ。
なるほど。私は当時幼児。全然記憶にない。
記念館に来たことも、金のカツオを見たことも。
なお、金のカツオは展示中に盗難に遭い、売り払われて溶かされてしまったそうだ。
なんだそりゃ!
ということで、「ほぼ初めて」坂本龍馬記念館に行ってきたのでありました。
今回の企画展では、他館の半券を提示すれば観覧料が割引になるそうです。
私は知らなくて、美術館の半券を自宅に置いてきちゃってました。持ってる方は是非。
3館巡ってスタンプを集めると、「柴田ケイコさん画 小龍さんステッカー」がもらえるぞ!